『山の郵便配達』
『初恋のきた道』が、男性を魅了した映画だったとしたら、
『山の郵便配達』(1999年作)は、誰もが感動出来る映画と言えるでしょう。
郵便配達人は、手紙だけでなく、
新聞、雑誌などを入れた重い郵便袋を背負い、
120キロの険しい山岳地帯を、2泊3日かけて徒歩で配達するのです。
大昔のことと思いきや、1980年初頭の中国湖南省が舞台なのです。
でも、実は、現在でもほとんど変わらないんですね。
以前、(夢を叶えてくれる)お正月番組でやっていたので驚きました!
長年留守がちで寡黙な父ゆえ、父に気持の隔たりを感じていた息子ですが、
仕事を引き継ぐため、父と2泊3日の配達の旅に出かけます。
父に取っては、これが最後となる旅でした…
山の木々は、どこまでも深く、美しく、
少数民族の人々は、素朴ながら、心から歓待してくれるのです。
読めない人には、(時には内容とは違う文で)代わりに読んでやるシーンでは、
思わずホロリと来ました。
届けるのは、郵便や新聞だけではないのです。
喜びも運んでいるのですね。
旅の先々で、父がいかに待たれ、信頼され、大切に扱われているかを、
目の当たりにする息子…
言葉は交わさなくても、父の姿を知ることで、それまでのわだかまりは、
消えて行くのでした。
自然の厳しさと美しさ、仕事に対する責任感、弱者への思いやり、
貧しくても、人の心の優しさ…
色んな事を気付かせてくれ、教えてくれた作品です。
そして、いつまでも、きっと忘れることの出来ない作品だと思います。
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