『妹の恋人』(1993)
『妹の恋人』は、海賊役で今をときめくジョニー・デップが、
眉目秀麗だった頃の作品。
もちろん今でもそうですが、当時の彼は、とにかく美しかったです。
主役は当然、ジョニー・デップの筈、
でも、この作品のオリジナルタイトルは、『Benny & Joon 』で、
兄ベニー(アイダン・クイン)と、妹ジューン(メアリー・スチュアート・マスターソン)
のことなんです。
外国作品のタイトルでは、時々理解に苦しむ事があるけれど、
もしかして、ジョーニー・デップは、主役じゃなかったとか…?
ジューンが幼い頃、両親は火事により亡くなり、それがトラウマとなって、
彼女の精神状態は不安定になってしまいました。
成長したジューンは、親代わりの兄と二人、
田舎で静かに暮らしていたのですが、
そこへやって来たのが、26歳のサム(ジョニー・デップ)という青年。
読み書きが出来ず、ほとんど口も利かない彼は、意外にも家事が得意。
それまで、家政婦を何人も追い出してきたジューンは、
彼を気に入るのですが…
この作品でのジョニー・デップの役は、大変ユニークです。
(ユニークな役というのは、この作品に限った事ではないですが…)
とにかく、サムにはセリフらしきものが無くて、
表情のみが語っているというふう。
まるで、パントマイムをしているようで、家事のこなし方も、
笑える程独創的なんです。
彼は単なる奇人なのか、それとも本格的な奇人なのか、
はたまた、ただ世俗を超越していただけなのか…
頭の中を、クエスチョンマークが飛び交っている状態…
そんな彼だからこそ、ジューンとも気が合ったのかも知れませんね。
この作品には悪人は登場しないし、映像も美しくて、見終わった時に、
癒された実感があって、好きな作品なのですが、
唯一不快な箇所もありました。
それはベニーが、死んでしまった金魚を、トイレに流すシーン…
日本人の感覚からすると(私だけ?)死んだとは言え、
生き物をトイレに流すなんてこと、ちょっと、考えられないことです。
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