『シザーハンズ』
場面は打って変わって、1960年代後半(たぶん)の世界…
時代が遡るというより、プロローグの雰囲気に比べると、
逆に未来の世界みたいなんです。
化粧品のセールスレディーのペグ(ダイアン・ウィースト)は、
新規の顧客獲得のために、山の上のお屋敷に行くのですが、
そこにいたのは両手がハサミの青年只一人。
ハサミで傷付き、悲しげな顔をした彼に同情したペグは、家に連れて帰ります。
青年は人造人間の“エドワード”(ジョニー・デップ)…
発明家の死後、彼がどれくらいの時を一人で過ごしていたか気になります。
何年?何十年?何百年?…
エドワードに夫の服を着せたり、顔にクリームを塗ってやったりと、
どこまでも親切なペグ、善意と母性の人ですね。
暇を持て余している噂好きの主婦や、ヘンな宗教に洗脳されている主婦など、
近所の人達に比べ、ペグとペグの夫は、本当にいい人なんです。
食事の時、料理を上手く取れないエドワードを、つい見てしまう息子に
見ないように注意するペグには笑えました。
また、「大金が詰まったカバンを見付けたらどうする?」の質問に、
四択で答えさせ、善悪を教えるペグの夫や、
エドワードとジャンケンをしようとする息子なども、可笑しかったです。
最初は、ハサミでウォーターベッドに穴を開けてしまったり
(クッションを置くと水が止まる!)
と失敗もあったけど、両手がハサミだけあって、植木の刈り込みや、
ペットや女性のヘアーカットも天才的なんです。
きっと、その様にプログラミングされていたのでしょうね。
始めは距離を置いていたキム(ウィノナ・ライダー)も、ボーイフレンドとは違う、
エドワードの無垢な心を知るうちに、二人の心は次第に近付くのですが…
最後はあれよあれよという間に、あっけなく結末を迎えてしまうのです。
“エドワードは永遠に年を取らないのに、自分(キム)は、やがて老いていく、
そんな姿は見られたくない。
若く美しいままの姿を記憶に留めていて欲しい…”この気持分かります!
…なんて切ないのでしょう。
一人で今も山にいて、氷を削っているエドワード…
でも、夏はどうするの?と、つい思ってしまう人に、
ファンタジーを観る資格は無いですね。
ところで昔、『スクリーン』に、マイケル・ジャクソンが
エドワード役の候補だったと、載っていたことがありましたが、
ジョニー・デップで本当に良かったです。
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